著者 : 風野真知雄

われ、謙信なりせば――上杉景勝と直江兼続

「あの二人が欲しい」慶長三年、天下盗りに王手をかけた徳川家康が呟いた。二人とは、故上杉謙信の跡を継ぐ上杉景勝と軍師直江兼続…家康が最も恐れた男たちである。が、家康が老獪に足場を固めつつあ…

水の城――いまだ落城せず

「なぜ、こんな城が!」五万の大軍率いる石田三成は、蓮沼に浮かぶ小城を前に歯がみした。天正十八年、関東の雄・北条家に怒濤のごとく襲いかかった豊臣軍。百を超す支城が次々と陥落する中、なぜか武…

起死の矢 大江戸定年組3

町方同心・旗本・商人と前職こそ違え、旧友三人の仲は、隠居後さらに深まった。隠れ家に集っては江戸の怪事件解決に走り回る悠々自適の日々。そんな三人のひとりが中風で倒れた。意識を失い、寝たまま…

初秋の剣 大江戸定年組1

三人の男は職を退いた。町方同心の藤村慎三郎、三千五百石の旗本夏木忠継、町人の七福仁左衛門。旧友の三人はまだまだ気力体力ともに充分で、さてこれからどう生きるかと思案。三人の願いは、いい景色…

菩薩の船 大江戸定年組2

隠居した旧友三人の前職は、町方同心、旗本、商人とさまざまだ。気力体力ともに自信がある彼らは手頃な隠れ家を手に入れて、江戸市中の厄介事に首を突っ込んでいった。まだまだどうして、世の中の役に…

下郎の月 大江戸定年組4

職こそ退いたが、旧友三人の隠居暮らしは内にも外にも事件が続いて、席の暖まる暇もない。ある日、亭主の仇討ちをとめてくれと、八百屋の女房が駆け込んだ。聞くと亭主は町道場では知られた顔で、腕に…