歴史小説-近世

人斬り半次郎 幕末編

「今に見ちょれ。俺はこの腕一本できっと……」。半次郎の口ぐせだった。姓は中村、鹿児島城下の藩士に〈唐芋〉とさげすまれる貧乏郷士の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直である…

人斬り半次郎 幕末編

「今に見ちょれ。俺はこの腕一本できっと……」。半次郎の口ぐせだった。姓は中村、鹿児島城下の藩士に〈唐芋〉とさげすまれる貧乏郷士の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直である…

つか版・忠臣蔵

赤穂浪士47人は、君に忠、従容として死についたのであったか? 断じて、否である。彼らが後世、<忠臣四十七士>と評価されたのは、宝井其角の尽力あってこそであった。そしてほかでもない、その其角を支…

龍馬伝野望篇

坂本龍馬が「自由」の名にふさわしい世の中を作ろうとしていた、黒船の時代。日本は限りなく明るく、明日への希望に満ち、そして……かの勝海舟は美しい義妹に恋いこがれ、だがその妹は、むりやり土方…

天と地と(三)

「曲者をしとめたぞ!」 栃尾城内の夜気を、城主景虎の若い声が貫いた。曲者は兄晴景が景虎暗殺のために放った忍びだった。景虎はついに兄との戦いを決意、その軍を破り、兄に代わって春日山に入城、2…

寛永無明剣

時は寛永年間――“大坂夏の陣”の戦が終って19年、いまだ世情は定まらず、各地には機会があれば倒幕を企てる勢力が蟠踞していた。六波羅蜜たすくは、反幕陰謀事件を追っているさなか、柳生のさしむけ…

天と地と(四)

長尾晴景が府中で病死した。その葬儀を済ませた景虎に、信州からもどった諜者が、武田晴信の北信進攻を知らせた。そして8月、景虎は軍を川中島に出動させたが、晴信の攻撃でさんざんに撃破された。戦…

天と地と(一)

「これはおれの子ではないのかも知れない」為景は思った。長尾為景、63歳。妻は袈裟、21歳、その早過ぎる妊娠が、そんな疑惑を生んだ。が、生まれた赤ん坊は、輝きの強い眼を持つ男の子で、虎千代と名づ…

天と地と(二)

天文12年、長尾晴景の家老昭田常陸介は晴景に反旗をひるがえし、14歳の景虎は春日山城での防戦に初陣を飾った。そして、城を脱出して身を寄せた宇佐美定行の許で、その娘乃美を知った。 翌年、景虎は甲…

本能寺(上)

織田信長――群雄割拠する戦国の世、尾張の国に時代を凌駕する一人の天才が出現した。目を奪うきらびやかな軍装、常識を超えた鉄砲・長槍の戦術、そして足利将軍の政治的利用から破格の人材登用に至る…

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